設定方法の変遷

9639978今のように手軽にオーバークロックができるようになったのは最近のことです。
1995年くらいのマザーボードではピンの差し替えを通してCPUのクロック周波数を変えていました。
当時そのやり方はマザーボードのテキストに書かれていたのでわかりやすかったのですが、ジャンパと呼ばれる細かいピンを抜いたり差したりして立ち向かう作業がやけに面倒でした。
それが1997年くらいからはジャンパピンに代わってディップスイッチが主流となってきたのです。
以前のピンよりはラクラクオーバークロックができるようになったもののケースを開けて作業しなければならないので面倒でした。
しかもこれらの方法ではクロックの倍率や周波数を切り替えることができる組み合わせが限られていたので自由はききませんでした。
1999年くらいになんとかBIOS画面で設定変更ができるようになって大幅に作業が軽減されて楽になりました。
2000年くらいにはWindowsからオーバーロックのツールを使って作業できる製品が出てきました。
このツールを使えば安全に確実にオーバークロックができるようになっていました。
CPUを造っているAMDというアメリカの半導体製造会社が「AMD OverDrive」というオーバークロック用のツールを作りました。
メーカーの保障外で従来は禁じ手ともなっていたオーバークロックが最近ではセールスポイントともなっています。
ただしこれらのツールによるからといってすべてのCPUなどにおいてオーバークロックができるというものではありません。
事故が起きても一切メーカーからの補償はなく自己責任となります。

リスク2

簡易的に行なうオーバーロックとしては、CPUの内部においてクロック倍率を上げたりCPUやメモリへ供給される電圧を上げたりしてCPUクーラーやヒートシンクを冷え易いものに交換する程度です。
その際のリスクとしてマザーボートにあるDC-DCコンバータの能力が足らなくなりオーバーロードによってMOS-FETが燃焼することがあります。
他にも熱によって温度が上昇してアルミ電解をするコンデンサの容量が追い越せることやクロックが上昇したことによって消費電力が増えすぎてしまい電力に負荷をかけることにもなります。
定格以上のクロック動作によって信号化けすることもあります。
最悪の場合火災が起きてしまうこともあります。
オーバークロックをしたばかりのときは問題なく稼働していても数ヵ月後に動作不良など不具合が起きることもあります。
オーバークロックをよく行っているオーバークロッカーの人たちはお互いにコミュニケーションをし、CPUのロットごとにどれがマージンの幅広いものなのか入念に調べて行っています。
ロット指定を通してCPUを購入している人もいます。
但し中にはオーバークロックを止めるためにクロック倍率を固定されてしまっているものもあります。
何とかマージンが広くなっているものを手に入れられたとしても、定格以上に設定したものを動作不良で製造会社に勧めることはできません。
最近では簡単にオーバークロックができるようになってきたために、興味本位でオーバークロックを通して製造会社側に不当にクレームを言う利用者も増えてきました。
如何なる使い方をしたとしても、如何なる不具合がでたとしてもオーバークロックをした時点でその後製造会社もディーラーも製品の保証は行ってくれないことを一概に理解しておく必要があります。

電源

オーバークロックを通じて成功させるために考えなければならないことは「電源」についてです。
クロック周波数を繰り返すということは、消費電力を繰り返すことになります。
つまり発熱の率が増すということになります。
そのためCPUなどに定格で使っているものよりもしばらく高めの電圧が供給出来るものを使わなければなりません。
但しそれは安定度が無くなることにつながります。
逆に定格で使っているものよりも相当小さめの電圧をCPUに渡した方が賢く見込めることもあります。
確実な方法は残念ながら存在していません。
自分が納得出来る方法を何度か試すうちに見極めるしかありません。
自作パソコン用に扱う電源ユニットとして別売りされているものには、出力電力値などが表示されています。
ただしこれはわずか数秒間のピークの値を表示しただけにすぎないので、まさに図る時折出力電力値の60%程度を定格値として考えるべきです。
製造会社品のパソコンの中にセットされている電源の容量は、記載されている電力値を連続して供給することができます。
電源ユニットを選ぶ際にはこのような点に注意して選ぶといいと思います。
自分が思った通りの電力が得られたとしてもノイズが入ってしまっていることもありますし、マザーボードが低性能なものならば宜しい結果が得られないこともあると思います。
電源の問題を解決するには専門の機器で計測するなどのスキルが必要とされます。
このようなスキルがない人でオーバークロックをしたい人ならば、電源ユニットを買う前に口コミや評判をチェックしてから選ぶようにするしかないようです。

オーバークロックの目的

オーバークロックの目的がCPUやメモリなどのパフォーマンスを向上させることではなく、オーバーロックをすること自体を目的としている人たちがいます。
手軽にできる簡単なオーバークロックの場合はパフォーマンスを改善できる可能性があります。
ただしコストパフォーマンスなどを一切気にすること無くユーザビリティも顧みずに高クロックや高パフォーマンスだけを追求してオーバークロックをする人たちは手段を選びません。
DC-DCコンバータをマザーボードから手に入れたり、CPUやメモリは選別品を使ったり、冷却するために二酸化炭素や液体窒素を使ったり、一般的にパソコンでは使わないような手段を使うのです。
オーバークロックをよく行っているマニアたちの間まずは、オーバークロックを通じて周波数を単純に争うだけの人たちがいます。
またオーバークロックを通じてベンチマークを走らせてスコアを競い合う自分もいます。
徹頭徹尾モータースポーツのようにそのパフォーマンス力を張り合うのです。
数年間製品がいい状態であることを望むのではなく、その瞬間だけでも要求しているスペックを手に入れることができれば満足という考えなのです。
そのためオーバークロックのやり方が誠に極端でキツイものになってくるのです。
最近ではこういったスコアや周波数などをインターネットに掲載して抗う人たちが増えているようです。
オーバークロックが手軽にできるようになったことで、オーバークロックをする自分の目的も変わってきているのです。